ゆるるん自宅警備

大人になりたくない大人のブログです

おしりの事情

私は入院して車いす生活をしていた時「縟瘡」に随分悩まされていた。

「縟瘡」と「床ずれ」は同じものらしい。

初めて縟瘡が出来た時、お尻の痛みで物凄い苦しんだ。

「お尻が痛いんです・・・」と言うのが恥ずかしかったのだ。

やっとの思いで「お尻に激痛が走ります」と言えた時、氷枕を渡されて「これで痛いところを冷やしてください」と言われた。

大人しく冷やしても痛いもんは痛い。何をしても痛いのだ。

大人なのにお尻が痛くて泣いた。わんわん泣いた。

入院中だったので皮膚科の先生に診てもらったら処置室に通された。

処置室には何人も医師や看護師が居た。

医師に「はい!お尻出して!」と言われてうつぶせに寝かされ、手際よく医師達の手によってペロンとお尻を丸出しされた。

「はーい、じゃあ写真撮るから動かないでね~」と言われてお尻の写真を撮られた。

皮膚科なので写真に収めるのが一番分かりやすく正確に情報を記録できるのだろう・・・。

お尻丸出しの記念写真だと思うと私は何とも情けない気持ちになった。

写真撮影の後は処置になる。縟瘡部分を切開して洗浄するのだ。

ズボンがビショビショになりながら私も痛みで泣いて涙がビショビショだった。

初の縟瘡は「お尻丸出し」の思い出となった。

 

そこから私はお尻に数えきれない位縟瘡を作った。

縟瘡防止クッションやお尻の保護するためにクリームを塗ったりして対策をしても縟瘡は増え続けた。

「あ・・・こいつ縟瘡の子供だな・・・」と思うと次の日にはあっという間に成長して私を苦しめた。

縟瘡を作らないためには5分に1回はお尻を動かした方がいいらしい。

でも5分間と言うのは結構あっという間で気が付いた時にはまたお尻に縟瘡が出来てしまっている。

お尻に負担をかけない方法はうつぶせで寝るくらいだろう・・・。

旦那と住み始めてからも縟瘡の悩みは続いた。「お尻が痛いよ~」と何万回と言い続けたと思う。

自分ではどうにもならない位縟瘡が出来てしまったのでお尻を丸出しにして「薬を塗ってください・・・」とお願いすると旦那はせっせと薬を塗ってくれた。

怖いもの見たさで旦那に「写真撮って」とお願いした。

まさか「お尻の写真を撮ってくれ」と言われると思っていなかったんだろう・・・旦那は戸惑って「え?」と言っていたが「お尻は自分じゃ見れないからどうなっているのかわからないんだ・・・」と言ったら真剣な顔をして「いいよ」と言ってくれた。

うつぶせになりお尻を旦那に向けて写真を撮ってもらう。

旦那はスマホを持ち「あ~・・・これ・・・あ~・・・どうやって取ろう・・・」と悩んでいる。

旦那は色々角度を悩んで「だから私はXperia!」と決め台詞を言ってシャッターを切った。

確かに旦那のスマホXperiaだ・・・。

お尻の写真をXperiaで撮るなんて、何だかSONYに申し訳なくなってくる。

お尻の写真を見てビックリした。

ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ・・・・。過去から現在までのぶつぶつがある。

高画質と言うのも時には残酷なものだ。ハッキリくっきり写っている。

Xperiaのおかげで私はお尻の状態を知った。

「あ~・・・初めて見たわ・・・これは一生もんだね・・・」と言ったら旦那は「これ方ケツだよ・・・」と言った。

方ケツと言う事は両ケツだとインパクトも倍だろう・・・。

私のお尻は終わった。もうお尻ではない・・・ケツだ。

 

ケツの現状を知ってから私はケツに対して愛情が沸いた。

毎日毎日この重たい体重をかけられてケツが気の毒だ。

もっとケツを大事にしようとリハビリに力を入れた。

ケツが触れていない時間を作れればケツの負担も減ると思ったのだ。

でもケツが痛すぎてリハビリも出来なくなった時「縟瘡対策チーム」と名乗る謎の軍団が私の前に現れた。

「縟瘡対策チーム」は手際よく私のケツをペロンと出して観察していた。

もう汚いケツをさらしたくないなんて言ってらんないのだ。

されるがままケツを出していたら、縟瘡対策チームの人たちは次々と謎のテープを貼ってくれた。

謎のテープの効果はすごくてケツの痛みがずいぶん楽になった。

シャワーを浴びても謎のテープは剥がれなかった。

次のリハビリの時「あの謎のテープはどこで買えるんですか?」と聞いたら売り物ではないと予想通りの答えが返ってきた。

あの謎のテープのお世話にならないようにリハビリしましょうと言いたいんだろう。

テープが剥がれた時、縟瘡部分を触ったら、ただのぶつぶつに変化していた。

 

私はケツの為にリハビリを更に頑張った今、車いすから杖のお世話になっている。

お尻の負担が減ったけど、お風呂上がりのケツの保護とマッサージは忘れないようになった。

保湿クリームをケツに塗ってゴシゴシする・・・。

「ケツよ・・・今日もお疲れ様・・・明日も頼むよ・・・」と言いながら両ケツをゴシる。

顔のお手入れよりケツのお手入れの方が大事だ。

そんな私のケツはまだぶつぶつの跡でいっぱいだ。

「あ~・・・汚いケツだね~」と言われるだろう。

まぁ誰かに見せるもんじゃないので汚いケツでも構わないのだが、このぶつぶつは縟瘡と闘った跡なのだ。

一生もんのぶつぶつを抱えても頑張ってくれたケツ・・・。

ケツに感謝して今晩もお風呂上りに保湿クリームでケツをゴシろうと思う。