ゆるるん自宅警備

大人になりたくない大人のブログです

損な役回り

私は結構トラブルに合う人でした。

実家のめんどくさい事担当係と言ってもいい位だと思います。

おっきなトラブルから小さいトラブルまで色々ありました。

今日はそんな私のトラブルに合った話をいくつか書いていきたいと思います。

 

ある日私の実家に一本の電話がかかってきました。

 

プルルルル、プルルルル、ガチャ

私「もしもし」

 

?「俺だよーー!!(泣きき叫びながら)助けてくれーー!!」

 

私「え??誰??」

 

?「俺だってばー!今北朝鮮の船に乗せられそうなんだよ!!助けてくれー!!」

 

何事かと思ってばあちゃんが近くに来る。

ばあちゃんが「お父さんじゃない?」と言うと聞こえたらしく電話の相手はまた叫び始めた。

 

?「お父さんだよ!!助けてくれ!!頼む!!お願いだ!!」

 

私「お・・・とうさん??え??え??どういうこと?」

 

??「おまえの親父北朝鮮に売り飛ばすぞ!売り飛ばされたくなかったら500万用意して振り込め!!分かったか?」

 

私「え・・・?お父さんってどういうことですか?北朝鮮?船?新潟に居るって事?」

 

??「親父がどうなってもいいのか!!薄情な娘だな!」

 

?「助けてくれーー!」

 

ばあちゃん「500万あればお父さんが助かるんでしょ!!あんた早く!」

 

私「お父さんって誰よ!じいちゃんはそこで水戸黄門見てるじゃない!」

 

ばあちゃん「え??あらやだ!ほんと!じゃあ人違いかしら?」

 

?「ガチャ!!」

 

ここで電話が切れました。

ばあちゃんは感情で動くタイプなので、じいちゃんが目の前に居ることをすっかり忘れて大騒ぎしていました。

そんなじいちゃんは目の前で私たちが騒いでるのを気にもせず水戸黄門を見ていて「うるせえなぁ、静かにしてくれよ」とぼやいていました。

 

オレオレ詐欺も結構演技力がすごい!じいちゃんが居なかったらばあちゃんは200%騙されていたでしょう。

実際じいちゃんが目の前に居ても騙されてた。

 

なんだかなぁ・・・と言う気持ちでしたが、被害がないだけ良しとしました。

 

その後私の携帯電話にやたらと変な電話がかかってくるようになった。

「○○のお金が未払いですよ」とか「還付金が受け取れますからATMの操作をしてください」とかが増えました。

 

「最近おかしな電話が多いんだよね~」」と言ったら「うちにもかかってくるの!わかんないからあんたに聞くように言ってるよ!」ととんでもないカミングアウトをされた。

「よく分からないので孫に聞いてくれ」と言っていたらしい。ご丁寧に電話番号も伝えて・・・。

 

「お巡りさん・・・こいつです」と言ってやりたかった。

 

ばあちゃんに「知らない人に絶対電話番号を教えない事!」と何度も言い、紙にも書いてあちこちに貼った。

 

その後私はさっさとショップで電話番号の変更手続きをして本来払わなくていい手数料3000円を支払った。

 

 

 

 

 

また違う日の話

ばあちゃんが手術をした事がありました。退院した日とにかく安静にして過ごしてもらい「さてそろそろ寝ようか?」と戸締りをしていた時ばあちゃんが「じいちゃんがコンビニに行ったらしいからまだカギをかけないで」と言ったのでしばらくカギを開けておきました。

 

「ピンポーン」とインターホンが鳴り、私は「あれ?じいちゃんならインターホンなんんて鳴らさずに入ってくるはず」と思いそーっと玄関に近づきました。

 

うちの玄関は昔ながらのスライド式のガラガラ玄関。

すりガラスでできているんで、きっと私の影位は見えたんでしょう。

 

「ピンポーンピンポーン」と連続してまたインターホンが鳴ったのでこっそり玄関に行きカギをかけ扉越しに「どちら様ですか?」と聞きました。

 

「助けてください!追われているんです!!」と若い男性が泣きそうな声で玄関に張り付いてきました。

 

また助けてくれパターンかよ・・・とオレオレ詐欺の事を思い出したけど、こちらには退院したてのばあちゃんが居る。

危ない目に合わせるわけにはいかない。

 

それにすりガラス越しの男は痩せているけど180センチ位はありそうだ。

 

様子を見ていたばあちゃんは「やだ!怖い!何!何!」と恐怖でパニックになってしまったので小さい声で「ばあちゃん杖貸して」と言いばあちゃんの杖を襲われた時の武器にすることに決めた。

 

相手は刃物を持ってるかもしれない。丸腰じゃいくら何でも危険すぎる。

クイックルワイパーよりもこっちの方が丈夫そうだし、こんなもんでもないよりはマシだ。

 

「本当にお困りならすぐそこに交番がありますよ、そちらに行かれてはどうでしょう?」と言ったら玄関をガンガン叩き始めた。

 

「ばあちゃん110番通報して!」とお願いして私は玄関越しに男と話をしてみました。

 

私「追われてるんですよね?誰に追われているんですか?」冷静に聞く。

 

男「いいかーらー!開けてくれよぉー!」玄関をまた叩き始める。

 

私「もう夜の11時ですよ、開けてくれと言われて、どうぞと言うわけにはいきませんよ」とすりガラスが割れないように背中でガラスをを抑える。

 

男「舐めてんのかゴルァ!」突然キレる。

 

私「舐めてんのはどっちじゃい!常識考えろゴルァ!」同じようにキレてみる。

 

男「うぇーん(泣く)怖いよー」マジで泣いてるらしい。

 

私「ねっ怖いですよね。あなたはこんな風に言ってるんですよ。怖くて開けられないでしょう?」

 

男「うわぁーん!僕だってーうわぁーん!」(某議員みたいにわんわん泣く)

 

彼の情緒がどうなっているのかもう分からない。

こんなやり取りの間に警察がこちらに向かってるらしい合図をばあちゃんから受ける。

 

男「あ!!何か来る!火事だ!!開けてー!!」と今までにない位玄関を叩き始めたのでいよいよガラスが割れると思った。

 

こちらにはばあちゃん愛用の頼りない無駄にカワイイ花柄の杖一本しかない。

 

割れたら応戦するしかないのか?こんな事になるんだったらケチんないでもっといいやつを買ってあげればよかった。

でも仕方ない剣道2段の腕前を見せつけてやる!この杖がダメになったらもっといいのを買ってあげるからね!などとと思い覚悟を決めて構えた。

 

その時男は走って逃げた。

え・・・構えたのが見えたの?と思ったが違うらしい。

 

パトカーがやってきた!男が言ってた「火事」とはパトカーの赤色灯だったらしい。

 

警察官が来て初めて私は玄関を開けた。

警察官が何人も来て私がその場で事情聴取を受けている時、フラフラと呑気にじいちゃんが帰ってきた。

 

どうやらコンビニだけでなくラーメンも食べて来たらしい。

 

ニコニコしながら「お前・・・なんかやらかしたのか?」と言い残し家の中にさっさと入ってグーグーと寝てしまった。

小腹が満たされたんだ・・・眠たくもなるだろう。

 

色んな覚悟を持ってこの家を守ったというのに、とても雑な扱いで泣きたい気持ちになった。

ばあちゃんはよほど怖かったのだろう・・・「また来たらどうしよう」と怯えていて警察が帰った後も眠れないようで一緒に起きていた。

 

結局男は捕まった。怪しい薬を使い幻覚を見て幻覚から逃げていたらしい。

男が捕まったことでばあちゃんは熟睡することが出来た。

 

花柄の杖は壊れることもなく、ばあちゃんは使い続けた。

 

「この杖で追っ払ったのよ~」とご近所さんに見せびらかしていた。

私が追っ払ったのではない、パトカーにビビって逃げただけである。

 

その後ばあちゃんの花柄の杖は聖剣の様な扱いを受けた。

 

面倒くさい事係の仕事は大変な割には評価はされない孤独なものなのだ。

1件解決ごとに1万円位欲しかったがもちろん貰えるわけない。

その後も無償で実家のめんどくさい事係をやり続けた。

 

そのおかげで耐性がついたのか?ある程度の事でビックリしなくなったし、「めんどくさそうだな・・・」と思うと逃げようとするスキルも身に着いた。

 

「無駄な事なんて一つもないさ!」って言いたかったけど、電話番号を変更したときの3000円と変な男がべったりと張り付いていた時に汚れたガラスを掃除した事は「無くてもいい事だったよなぁ」としみじみ思う。

 

平和がどれだけ有難い事かと言うのを学んだ。