ゆるるん自宅警備

大人になりたくない大人のブログです

姉さん!事件ですよ!

私は結構色んな人にかわいがってもらった。

 

その中でも親しくしている人を「姉さん」と呼んでいた。

姉さんは色んな事を教えてくれたりして私は姉さんの事が大好きだった。

姉さんも私をかわいがってくれて飲みに連れて行ってくれたり、遊びに連れて行ってもらった。

 

ある日「ちょっとイケメンを見ながら飲みたいから今日飲みに行くわよ!」と言われ姉さんは私の返事なんか待たずにさっさとどこかへ予約の電話をした。

 

「姉さん・・・ストレスたまってますね・・・」と思いそのお店に行くと「イケメン」と呼ばれている男性が爽やかな「いらっしゃいませ」と言い席に案内した。

 

そのお店の従業員は本当にイケメンだった。

ホストクラブではなく席に座ったりはしないのだがあっちにもこっちにもイケメンが立っている。

 

姉さんは慣れた様子で「ジントニックとチーズをお願い」と早速オーダーした。

私も姉さんと同じドリンクを注文したが、メニューの金額を見てビックリした。

 

ジントニックが1500円位するのだ。

まぁ、その中には「イケメン観察代金」も含まれているんだろう・・・。

 

「イケメンを眺めながら飲む酒は美味しいわよ~」と姉さんはワクワクしていた。

私はぶっちゃけイケメンには興味がないので「まぁ、姉さんが楽しければいいか・・・」と思っていた。

 

オーダーしたものが届き姉さんはチーズを食べ一気にジントニックを飲んでいた。

でも同時に姉さんの表情が暗くなって来た。

 

「姉さんどうしたの?」と聞くと姉さんがもごもごしながら「・・・チーズ・・・ゲロの味がする・・・」と消え入りそうな声で言った。

 

姉さんは気分がよくて一気にジントニックを飲んでいたわけではなく、チーズの味を消したくてゴクゴクと飲んでいたのだ!

 

1500円があっという間に氷だけになり、「カラカラン」と夏のカルピスのCMの音を奏でていた。

 

「ちょっと食べてみなよ・・・」と言われたがゲロの味と言われた物を食べる気にはならない。

でも姉さんの涙目を見ていると共感したくなる部分もある。

私は覚悟を決めチーズを小さくして食べた。

 

「あぁ・・・これは辛い(笑)」と思わず口に出してしまいました。

酸っぱいような、苦いような、ねっとりしてるような・・・何とも言えない気持ちが襲ってきてジントニックをゴクゴク飲み、ついに私のジントニックも夏のカルピスの音を奏でた。

 

二人とも暗い気持ちになり姉さんはイケメンなどどうでもよくなったのだろう・・・。

さっさと二人でチーズを残して店を出た。

 

他の店で口直ししたのは言うまでもない。

 

その後行った店で飲みながら美容の話になり「フェイシャルパック」について姉さんから聞いた。

美容に無頓着な私は「そんなの使っても美人になるわけない」と言ったが「絶対使った方がいい!年を取ると肌に年齢が出る!」と姉さんが熱く語った。

 

「そんなもんかなぁ・・・」と思ったが「私がいいの買ってあげるからやってみな!」と言われその日はお開きになった。

 

ゲロのチーズの事などすっかり忘れたらしく姉さんは気分よく帰って行った。

 

数日後、本当に姉さんはパックをくれた。

 

家に帰り早速使ってみることにした。

 

箱の使い方を見ながら顔に塗っていく・・・あっという間に目と鼻の穴と口を残し真っ白になった。

姉さんの話だとこのまま15分位放置するのがいいらしい。

 

ドモホルンリンクルではないのだが思わず「おの まきんちょはドモホルンリンクルを使っています♪」とCMみたいに言いたくなる。

 

何か肌にいい事してる気がする!と満足した私はパックをしたまま他の事をし始めた。

 

しばらくして「あー・・・なんかアイスが食べたくなったなぁ」と思い車で近所のコンビニに行くことにした。

 

気分良かったので鼻歌でも歌いながら運転してたら急にバックミラーに白い顔をした人が映った!!

私はビックリして路肩に車を止めた。

 

まさか・・・いよいよ見てしまったのか・・・お化けなんてこの世に居ないと思って生きて来た。

でも今見てしまった・・・白い顔した怖い何かが・・・

 

おそるおそるバックミラーを見たら・・・まだいる!!やっぱいる!!何かいる!!

めっちゃ怖い!!

 

私はしばらく運転席で頭を抱えた。

 

除霊のやり方なんてわからない・・・もしかしたら後部座席に居た幽霊はよく聞く幽霊で幽霊が座った場所はビショビショに濡れているのかもしれないなどと考えた。

 

すると「コンコン!」と窓を叩く音がする!

おばけ外に出たの?外見たらめっちゃ目が合うじゃん!怖いと思っていたら「運転手さん、大丈夫ですか~?」と声をかけられた。

 

誰だか知らないが助かった!!おばけを何とかしてもらおう!!思い外を見たら警察官が私の顔を見て絶叫した。

 

警察官に「顔・・・どうしたんですか?」と言われ私は自分の顔をバックミラーで見た。

さっきのおばけが映っていた・・・それはパックをしたまま忘れていた自分の顔だった。

 

田舎の道で路肩にハザードをつけて停車して、運転手が頭を抱えているのをパトロール中の警察官が心配してくれたにも関わらず、私は自分の顔を見て怯えていたのだ。

 

何とも情けない・・・。

 

パックを取り警察官に事情を説明して謝った。

「ちょっとビックリしただけだから大丈夫ですよ~具合が悪いんじゃないならよかった~。でもとりあえず免許見せてもらえますか?」と言われ素直に免許を渡した。

 

恥ずかしい思いをして名前と住所まで知られてしまった・・・。

しばらくの間は警察署で「パックの人」と呼ばれるだろう・・・。

 

「今度からは顔を見てから運転してくださいね」と笑顔で免許を返してもらった私は穴があったら入りたい気持ちになった。

 

次の日「私には合わなかったみたいです」と言って姉さんにパックを返した。

うちで埃をかぶるより姉さんに使ってもらった方がパックも幸せだろう・・・。

 

「肌がかぶれたの?」と心配する姉さんに事情を説明したら大爆笑されて「警官も怖かったと思うけど、対向車の人も怖かったと思うよ」と言われた。

 

私だったら怖い、対向車の運転手が真っ白な顔して運転していたら・・・

しかも夜だとヘッドライトの光でより一層怖くなるだろう・・・

 

私は思った。

もしかしておばけの話はこうやって誕生しているのかもしれない・・・。