ゆるるん自宅警備

大人になりたくない大人のブログです

おしりちゃん

私が幼稚園位の頃の暑い夏の日の思い出がある。

 

その時はまだ昭和、夏祭りにばあちゃんに着せてもらった浴衣が嬉しかった。

浴衣を着る時「着物を着るときはパンツは履かないんだよ」と言われ私はパンツを履かなかった。

可愛く浴衣を着れて私は浮かれてはしゃいだ。

 

お祭りと言えばたくさんのお店が並び、大人も子供もワクワクする。

私はソースせんべいやあんず飴を買ってもらいニコニコしながら食べていた。

大人はビールを飲み盛り上がっていた。

 

当時うちの地域だけだったのか分からないが、盆踊りのほかに台に上がって日本舞踊を踊ったり、かくし芸を披露したりしている人が居て踊りが終わると観客席の人は「おひねり」を投げていた。

 

今ではさっぱり「おひねり」をさっぱり見なくなりましたね。

 

ちり紙の中に小銭が入ってると知った私は「おひねり」がものすごく欲しくなりました。

 

「踊ればもらえる!そしてお祭りでたくさん遊べる!」と思った私は一通り踊りが終わった時舞台に上がって踊った。

 

子供がすることだから多めに見てくれたのか、周りの大人が酔っ払っていたせいか分からないが誰も私を止めなかった。

 

結構飲んで出来上がった大人たちが「いいぞ~!もっと踊れ~!がははは!」と笑っているのを見て私は調子に乗ってもっと踊った。

 

酔っ払いは何でもありだ。

 

おひねりが何個か飛んできて嬉しくて絶好調になった私は浴衣の裾をペロンとめくりお尻を丸出しにして更に踊り続けた。

 

その時の私は「サタデーナイトフィーバー」の様にノリノリだっただろう。

お尻丸出しの状態でキレッキレのダンスを踊り続けた。

 

見ている観客が一斉に笑っておひねりの雨が降った。

それと同時に遠くからばあちゃんの怒鳴り声も聞こえてきたが、後でまとめて怒られればそれでよい。

 

クレヨンしんちゃんがまだ放送されていなかった時代、お尻を出して踊るなんて考えられなかっただろう。

 

怒り狂ったばあちゃんが舞台に上がり、怒鳴りつけられゲンコツをされるまで私はおしりを丸出しにして踊り続けた。

 

おひねりはお祭りの実行委員会の人からゲンコツの後にもらった。

 

実行委員の人は「まぁまぁ・・・」と苦笑いしながらかばってくれた。

 

お祭りの日近所のおじいちゃんやおばあちゃん、お店の人達に「おしりちゃん」とあだ名がつけられた。

 

亀すくいをする時も「よっ!おしりちゃん!見てたぞ(笑)」と声をかけられた。

 

べっこう飴を売っているおじさんはおまけしてくれた。

 

尻を出して踊っただけなのに物凄いVIP待遇だ。

 

「おしりちゃん」はすっかり定着してお祭りの後も「おしりちゃん元気?」や「来年もおしりちゃんのダンスみたいねぇー」などと言われ続けた。

 

ロリコンなどと言う言葉がなかった時代だった。幼稚園児の尻などそんな扱いだ。

 

私は尻を出しておひねりがもらえるなら是非来年も尻を出して踊りたいとさえ思っていたが、ばあちゃんは許さなかった。

 

「あんたのおかげで恥をかいたわよ~」と言うばあちゃんだったが当時の私には恥もへったくれもない。

 

じいちゃんはのんき「よっ!おしりちゃん!いいあだ名もらったな!」と笑っていた。

 

小学生に上がる頃「クレヨンしんちゃん」が放送され、しんのすけがお尻を出してみさえにゲンコツをされるのを見て他人事ではない様な気がした。

 

その頃にはさすがに「おしりちゃん」が恥ずかしくなったので、幼稚園の時だけの思い出になってしまった。

 

今でも夏の暑い日には「おしりちゃん」の苦い過去を思い出す。

 

今きっとお尻を出したら確実に捕まるだろう・・・。

 

大人になってしまったんだな・・・としみじみ感じる平成最後の夏はもう終わりを迎えようとしている・・・。